Solution
水産・農業市場
微細藻類・水耕栽培・水産加工用水での
分離・濃縮・除菌工程を分離膜で効率よく実現
環境変化とコストの壁を抱える水産・農業市場
水産業や農業は1次産業として社会の重要な基盤ですが、近年の気候変動や環境変化、社会の高齢化といった社会問題が一次産業の生産性や持続可能性に深刻な打撃を与えています。
水産業では、水温上昇によって自然漁業で獲れる魚種が変化し、それを補うように海洋養殖や沿岸養殖が増加しています。しかし養殖であっても、異常気象によって生け簀での死滅数が増えるなど、島国である日本にとっては危機的状況があります。この変化から逃れるために陸上養殖が登場し、その実用化研究が進んでいます。人工海水のコスト削減や病気の低減など水処理の課題もあり、分離膜の活躍が期待される分野です。
一方、農業では農業従事者の高齢化が進行しており、IoTやAIを活用するスマート農業の登場で生産効率の向上や労働力不足の解消が期待されています。しかし同時に、社会情勢によるエネルギーや肥料の高騰といった問題も抱えており、化学肥料や農薬による土壌や水資源の汚染が心配されるなど環境負荷も指摘されています。山積する問題に対して、自動化による効率化と化学薬品の削減、そして作物の品質安定化を実現するために、分離膜は水耕栽培における液肥除菌プロセスで活用され、新たな技術として注目されています。

分離膜で出来ること
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01
品質
- 液肥や養殖用海水をろ過して病原菌を除去し病気を防ぐ
- 微細藻類の細胞を壊さず濃縮
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02
コスト
- 液肥や人工海水の循環再利用を実現してコスト削減
- 殺菌剤などの薬品を用いずに除菌可能
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03
安定性
- 自動制御で安定稼働し、供給スピードを確保
水産・農業分野の用途例
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1
微細藻類の濃縮
工程の効率化により生産性向上、省人化を実現します。
- 中空糸
- チューブラー
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2
養液の除菌・除濁
無菌化処理により安定した生育を実現します。
- 中空糸
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3
海水のろ過・淡水化
濁質・細菌・ウイルスをほぼ完全に阻止できます。
RO膜を用いることで海水から真水を作ります。- 中空糸
- スパイラル
事例
微細藻類の濃縮
- 微細藻類を膜で濃縮・減容化することで乾燥コストを削減
- 遠心分離に比べてせん断力が低く、細胞を壊しにくい
- 工程の効率化で生産性向上・省人化

水耕栽培・養液栽培の液肥再利用
- 使用済み養液をUF膜ろ過で無菌化処理し再利用
- 無菌化処理することで植物の病気を防いで安定して生育が可能
- 液肥の使用量を低減し環境負荷低減とコスト削減が可能

陸上養殖・水産加工用水のろ過
- 海水をUF膜処理することで濁質・細菌・ウィルスをほぼ完全に阻止
- 海水の引き込み利用を可能にし人工海水が不要
- 無菌化により養殖魚介類の病気を低減
- 従来の殺菌剤注入をなくすことで養殖魚介類に対して無害
- 水揚げ魚を無菌海水で洗浄することで鮮度向上

当社の強み
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01
高い膜の耐久性
- 中空糸膜が切れにくく、高いろ過性能を維持します
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02
豊富な実績
- 長年培った経験やノウハウでお客様の抱える課題を解決します
- 水産加工用水分野で多数の実績あり
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03
膜モジュールだけでなく装置設計も
- 膜処理を知り尽くした膜メーカーだから処理装置全体もご提案可能です