Solution
製薬用水・医療向け市場
高性能な分離膜技術により安全性の高い水の製造が可能です
製薬用水(医薬用水)とは
製薬用水は、医薬品の製造や調剤、容器や設備等の洗浄などに使用される水で、高い品質基準が求められます。具体的には精製水や注射用水などがあり、厳格な品質基準が設けられています。細菌や内毒素(パイロジェン、エンドトキシン)のレベルが非常に低いことが求められます。
製薬用水の品質は、細菌数、導電率、パイロジェンなどの指標によって評価され、適切な管理と監視が必要です。製造プロセスにおいては、常に清浄な環境を保つことが重要です。これらの水は、医薬品の効果や安全性に直接関わるため、その管理と品質保持が厳格に求められます。

製薬用水製造工程において限外ろ過膜にできること
製薬用水を作るシステムの一部として、生菌やパイロジェンの除去を目的に、中空糸型限外ろ過膜(UF膜) が採用されています。厳重に管理された製造工程であっても、菌・ウィルスによる汚染リスクは常にあります。最終工程に中空糸型限外濾過膜(UF膜)を設けることで、菌・パイロジェンをカットするファイナルフィルターの役割を果たし、安全な製薬用水をつくります。
- ※1 精製水とは常水を蒸留、イオン交換、逆浸透、限外ろ過、又はそれらの組み合わせにより精製したものです。
- ※2 注射用水は精製水を蒸留又は、超ろ過により製したものです。
これらについては日本薬局方で定義されています。
製薬用水に最適な分離膜モジュール
製薬用水で活躍するダイセン・メンブレン・システムズの分離膜モジュールは、メンテナンス性の高いサニタリー仕様となっている「FS10型」や「FS03型」モジュールで、中空糸型分離膜の中でも、生菌だけでなくパイロジェンまでしっかり除去できる「T653膜」を搭載した製品が選ばれています。
信頼のろ過性能
モジュール型式 | FS10-FUST653 |
---|---|
分画分子量 | 6,000 |
膜材質 | ポリエーテルサルホン |
エンドトキシン除去率 | LRV 5 |
ISO基準 | 99.9%以上 |

信頼と実績
-
01
世界トップクラス*の出荷本数
- ダイセンの膜モジュールは、日本国内だけでなく海外の製薬工場現場でも広く選ばれています。
- ※当社累積出荷数にもとづく本数
- ※2002年~2023年の期間による集計結果
- ※集計対象製品:FS10-FS(FC)-FUST653、FS10-FS(FC)-FUS0353
- ダイセンの膜モジュールは、日本国内だけでなく海外の製薬工場現場でも広く選ばれています。
-
02
国内で製造組み立てを行っています
- モジュールは兵庫県・網干製造所にて製造しています。
-
03
各国の医薬品規格に適合
- 日本薬局方、欧州薬局方、米国薬局方で定める製薬用水製造における規格に適合しています。
-
04
USP CLASS VI 認定を取得
- 米国薬局方が定める非経口製剤の容器または付属品としての使用を意図したプラスチック材料の適合性を判断する規格の中で、最も厳しい規格である「USP CLASS VI」認定を取得。
-
05
豊富な経験と信頼
- 1985年の上市以降、培われてきた豊富な経験と知識に基づく安全性と信頼性。
従来法との違い
安全性と持続可能性を両立した
先進の『超ろ過法』
従来の注射用水(Water For Injection: WFI)は蒸留工程を経てつくられました。この蒸留器は加熱することによって殺菌と水の精製を同時に実現するものですが、加熱にかかるエネルギーが大きいことが課題でした。分離膜による微生物及びエンドトキシン除去方式(超ろ過法)が確率され、医薬品規格に適合したことにより、蒸留器代替として省エネルギーで持続可能な先進的製法として世界的に注目されています。
相変化を伴わず省エネルギー
分離膜はポンプの稼働のみで処理ができ、相変化を必要としません。
製薬用水の製造プロセスにおいて主流であった、従来の蒸留法に比べて省エネルギーなプロセスを実現します。
●蒸発法
加熱+冷却+ファン/ポンプ動力が必要
蒸留法は成分の沸点の違いを利用し、加熱によって水のみを気化させ、不純物のない蒸留水を得ます。
●分離膜発法
基本的にポンプ動力のみ
分離膜は膜の孔よりも小さい物質を通すろ過の仕組み。送水ポンプの供給圧だけで処理します。
蒸留なしで注射用水 確立された安全
加熱による殺菌・精製は蒸留器神話とも呼ばれ、長らく信頼されていた製法です。一方で、膜法によって代替した場合にリスクが高まる・精度が悪いという報告はなく、世界各国で蒸留器をなくし、分離膜のみで処理された注射用水(Cold Water For Injection: CWFI)が認可されています。
超ろ過法(CWFI)が適合されている各国の医薬品規格
- JP(日本薬局方)
- USP(米国薬局方)
- EP(欧州薬局方)
