水処理に関する用語集

このページでは、サイト内で使われている専門用語や一般的な水処理で使われている用語の説明をしています。50音で分類していますので、左側のインデックスから、お探しの用語を検索して下さい。

外圧型
中空糸モジュールや管状モジュールで、外側に加圧した原液を流し、内側に透過液を集める膜ろ過方式を言う。原液に面した外側に膜の活性層がある。特に中空糸モジュールの場合、懸濁物による中空糸閉塞がなく、また、膜面に附着した汚れをフラッシングや振動で取り除きやすい特長がある。反面、原液の流れが偏って膜性能をフルに発揮できない短所がある。
化学的酸素要求量(COD)
水中の酸化されやすい有機物が過マンガン酸カリウムによって酸化されるのに要する酸素量をmg/Lで表したもので、水質汚濁指標の1つ。
活性汚泥
下水をエアレーションしてできる吸着性や沈殿性のすぐれた汚泥のことで、有機物を栄養源として繁殖する好気性細菌、原生動物等の生物および有機や無機の非生物性汚泥の集合体で、下水を浄化する能力をもっている。
活性汚泥浮遊物質(MLSS)
エアレーションタンク混合液中の活性汚泥量
活性層
RO膜、UF膜など不均質膜の表面に存在する0.1μm以下の極く薄い緻密な層。膜の選択透過性を決定する重要な役割を果している。活性層の表面を電子顕微鏡で2万倍程度に拡大しても孔は観察されないが、UF膜で数十Å、RO膜で10Å程度の孔径の孔が存在すると言われている。
管状モジュール
内径0.5~1インチ程度の支持管の内側または、外側に管状の膜を装着したモジュール。支持管には透過液を通すための穴が開いている。一般には、内側に膜を収納した内圧型が多い。モジュールがかさばる短所はあるものの、懸濁物などによる流路の閉塞がなく、スポンジボールによる膜面擦洗も可能なため、固体を含む液の処理には非常に有効である。
逆汚染
無菌化システム、例えば無菌水製造装置において、原水から無菌水を製造する機能は正常に働いているにもかかわらず、無菌水取出し口から浸入した細菌が無菌水側に定着して、無菌水中に細菌が存在する場合を言う。逆汚染防止対策として特殊なバルブの採用、徐放性殺菌剤や静菌剤、紫外線殺菌灯などの装置への組み込みがなされている。
逆浸透膜(RO膜)
濃厚水溶液と希薄水溶液(たとえば海水と水)を半透膜で隔てて接触させると、両方の濃度が平衡に達しようとして希薄水溶液側から濃厚水溶液側に水が移動して圧力差が生じます。この圧力差が浸透圧で、濃厚水溶液側に浸透圧より大きい圧力をかけると、水が半透膜を透過して希薄水溶液側に移動し、半透膜が緻密であれば純水が取り出せます。このような現象を逆浸透と呼び、逆浸透に使用する膜を逆浸透膜と言います。逆浸透膜は、表面に10Å(0.001μm)程度の孔を持っていると言われるが、一般には食塩の排除率で膜の分離特性を表現している。海水の淡水化、超純水の製造などの水の精製、果汁の濃縮などに利用され、病院内でも無菌パイロジェンフリー純水の製造に利用されている。
逆洗
通常の通液法とは逆に、液を透過液側から原液側に流して、原液側の膜表面上に形成されたファウリング層などの堆積物をはがし、膜性能を回復させる膜面洗浄法。
吸着
気体あるいは液体中の特定成分が、それに接する固体物質に選択的に付着し、もとの気体または、液体中の組成比よりも高くなる現象。化学結合力による化学吸着とファンデルワールス力による物理吸着とがある。分離膜が溶液中の成分を吸着し続けると、概して透水速度が低下したり、分離性能が変化したりする。
均質膜
一般のプラスチックフィルムのように均質な構造からなる膜。厳密には、プラスチックフィルムほど、緻密ではなく微細な多孔質構造であるが、厚さ方向に差がなく、均質に見える点から、こう呼ばれている。透析膜やイオン交換膜が均質膜に属する。
グラム染色法
細菌の同定に必須な染色法である。グラム陽性菌は細胞の核が濃紫色(クリスタル紫)に、グラム陰性菌は淡紅色(サフラニン)に染まる。染色方法は、クリスタル紫→ルゴール液→アルコール脱色→サフラニンの順序で行う。
グラム陰性菌
グラム染色法のサフラニンに染まる細菌。大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌などがこれに属する。一般にエンドトキシン(内毒素)を産生する細菌群で水棲性のものが多い。
グラム陽性菌
グラム染色法のクリスタル紫に染まる細菌。ブドウ状球菌、連鎖状球菌、枯草菌などがこれに属する。一般に食中毒などを起こすエキソトキシン(菌体外毒素)を産生する細菌群である。
クリプトスポリジウム
胞子虫類に属する原虫で、ほ乳類、鳥類、および魚類を含む多くの動物の胃腸及び呼吸器官の細胞に寄生します。
クロスフローろ過方式
供給水を膜面に沿って流し、膜を透過する透過水が供給水とは90°異なる方向に流れる方式です。全量ろ過方式と比べて、目詰りによるろ過速度の低下が少ない利点がある。
ゲル層
膜処理時に、原液中の貧溶解性高分子溶質(蛋白質、多糖など)が、濃度分極による濃度上昇で膜面に析出してゲルになった層。ゲル層が発達すると、透過流束が圧力に殆ど依存なくなり、溶質の濃度に依存するという特徴的な現象が観察される。これは、透過流束に比例して溶液からゲル層に運ばれる溶質の量が、ゲル層から濃度勾配(濃度と流動条件で決まる)によって可逆的に戻ってくる溶質の量と見合って平衡状態になる(ゲル層モデル)ためである。類似の現象は、原液中のコロイドや微小固体などのファウリング物質が膜面に沈着して、非可逆性の抵抗層を形成した場合にも観察される。また、ファウリング物質を全く含まない実液は存在しないため、「ゲル層」は膜ろ過時の極めて普遍的な現象といえる。
限外ろ過膜(UF膜)
精密ろ過膜(MF膜)よりもさらにふるいの目を小さくしたもので、膜に圧力をかけて水を押し出すことで分離を行います。膜表面の孔径は0.01μm以下で、分離可能な物質の大きさを分子量で示した分画分子量は1,000~300,000です。
嫌気性細菌
生育のためのエネルギーを獲得するために、最終電子受容体として酸素を利用しない細菌をいう。すなわち、遊離酸素の存在しない条件下で生育できる細菌の総称で、酸素が存在しても生育できる通性嫌気性菌と、酸素が少しでも存在すると生育困難に陥る偏性嫌気性菌に分けられる。
好気性細菌
酸素が存在しないところでは生育できないか、または生育が阻害される細菌をいう。酸素がないとまったく生育できないものを偏性好気性細菌、酸素が必要であっても、酸素濃度が相当低いところでよく生育するものを微好気性細菌と呼ぶ。
孔径
半透膜の分離をつかさどる部分(多くは膜の表面)にあいている孔の大きさ。MF膜では、数μm~0.1μmの穴を電子顕微鏡で観察することができる。RO膜やUF膜の孔径は、それぞれ10Å前後、数十Å程度と言われるが、実際に孔を直接観察することは、殆ど不可能で、食塩の排除率や、分画分子量で孔径を代表している。
孔径分布
半透膜の孔径は、ある一定の分布を持っており、単に孔径という場合、平均孔径のことを言う。孔径分布が狭い場合、膜は鋭い分離性能を示すが、逆に広い場合は、分離の精度が落ちる。MF膜は水銀圧入法などで孔径分布が測定されるが、RO膜やUF膜では非常に難しい。
硬度
水中のカルシウムイオン、マグネシウムイオン量を、これに対応する炭酸カルシウムに換算し、mg/Lで表したものである。カルシウムとマグネシウムの塩類を多く含む水を硬水、これらの含量の少ないものを軟水という。