導入事例
食品・飲料
ネバネバ成分フコイダンをUF膜で精製
- クライアント名
- 金秀バイオ株式会社 様
- 業界
- 食品・飲料業界
- 導入エリア
- 沖縄県
- 導入製品
- FK20-FO-FUS0382
食品の中でも、含まれる成分の純度や品質が求められる「健康食品市場」ですが、UF膜は分離・精製や濃縮の操作を活かして、健康食品の製造現場でも活躍しています。今回はサプリメント製造において、精製処理にUF膜装置を導入いただいた、金秀バイオ株式会社様の事例をご紹介します。
沖縄の恵みから健康食品を製造
金秀バイオ株式会社様は、沖縄の素材にこだわり、発酵・バイオ技術を活用した健康食品を製造・販売する食品メーカーです。
主な取扱い素材は、沖縄モズクから採取するフコイダン、沖縄の農家さんが丹念に育てたウコンをはじめとして、ゴーヤー、クミスクチン、ノニ、シークワーサー、グァバ、もろみ酢、長命草など、天恵の島・沖縄ならではの確かな素材を使用しています。
また、製品は食品安全の国際規格であるISO22000の認証及び健康食品GMP認定の自社工場で製造しています。
金秀バイオ様の工場の中で、弊社のUF膜をお使いいただいているのが、モズクの健康成分であるフコイダンを含有したサプリメント商品です。
▶ 金秀バイオ株式会社ホームページ(https://www.kanehide-bio.co.jp)
多糖類の1種「フコイダン」
フコイダンとは、主に海藻(褐藻類)に含まれるぬめり成分の一種で、硫酸化フコースという糖が多数結合した多糖類です。
水に溶けやすく、独特の粘性を持っており、海藻特有のぬるぬるした感触の正体でもあります。
近年、フコイダンを摂取することで様々な健康効果があることが解明されてきており、機能性素材として注目されています。
特に金秀バイオ株式会社様が使用しているオキナワモズクは、他の海藻類と比べて極めてフコイダン含有量が高く、効率よく抽出できるとされています。
また、構造が比較的単純かつ安定しており、加工しやすいという利点もあり、さらに、沖縄のきれいな海で養殖されているため、安全性と品質の高さも評価されています。
ダイセン・メンブレン・システムズの精製装置
金秀バイオ株式会社様ではこのフコイダンをサプリメントの形にする製造工程において、成分の脱塩・精製にダイセン・メンブレン・システムズ製UF膜装置をご採用頂きました。
UF膜は、塩分、ヨードといった低分子成分を透過しますが、多糖類であるフコイダンはサイズが大きく、膜を透過せずに残ります。
この性質を利用して、目的のフコイダンから不純物を取り除いて精製する装置をご提案し、サプリメント製品の品質を向上することができました。
また、装置は自動化装置をご提案し、連続運転も可能です。
最小限の人手で装置を運転することができ、生産性も向上することができます。
テストから装置設計まで伴走して作り上げる
フコイダン精製装置の完成は簡単な道のりではありませんでした。
UF膜で効果的にフコイダンを精製処理ができるのかどうか、まずはテスト用の小型膜モジュールを用いた検証から、弊社に受託いただきスタートしました。
その後も金秀バイオ様で液サンプルの成分評価や、スケールアップしたご評価を交えながら進め、精製時の加水量や運転方法まで徹底的に研究することで、装置の設計・製作を実現することができました。
ダイセン・メンブレン・システムズでは、膜の適応から最適な処理、運転までお客様とともに伴走して装置を作り上げています。